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ガスタービン!

★東電管内の夏の電力需要は最大6400万kwに上る可能性がある。しかし、東日本大震災で福島第1、第2原発の運転再開が絶望的となり、このままだと供給能力は4800万kw規模にとどまる見通しらしい。

 東京電力は、停止中の火力発電所の再稼働などで今年7月末までに供給能力を1000万kw以上増やす計画とのこと(この上積みでもまだ足らない分については節電に期待か)。大半は被災した鹿島火力発電所と常陸那珂火力発電所の復旧によるもので、既存発電所へのガスタービン増設などで40万キロワットの能力強化を進めるらしい。比較的短期間で稼働できるガスタービンへの関心が高まっている。

 ガスタービンは他の火力発電と異なり、燃焼させたガスでタービンを回し発電する。ジェットエンジンと同じ。特徴は起動停止が速いため、電力不足に合わせて運転が可能なこと、排ガスにSOx,NOxが少ないこと、CO2の排出量も他の火力より少ないこと、温排水なし、コンバインドサイクルだと熱効率が50%以上(!)あること、などなどさまざまである。

 他の火力は発生する熱によって蒸気を発生させタービンを回すが、ガスタービンは排ガスでタービンを回す。でもこのままだと排ガスの熱量がもったいないので、コンバインドサイクル発電の場合は、さらに高温の排ガスでボイラーを温め、蒸気を発生させ、再度蒸気タービンを回し、熱回収を行う(下図)。これで熱効率が50%を超える。熱回収という意味では、ゴミ焼却場で温水プールがあるのと同じ。

 燃料代も安く済むらしく、石油などより安定供給でもあるらしい。またプラントが小型で済むため立地の問題がない(他の火力に併設できる)。しかし、東電が設置しようとしているのはおそらくガスタービン単独のもので(コンバインドは設備も大きくなり、設置にも時間がかかる)、熱効率が悪いのが短所か。

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★これだけメリットがあるなら全部コレにすりゃいいじゃん、となるかもしれないが、電力各社は発電方法を多岐に渡らせることにより、特定の燃料が供給不足になっても他の発電方法でカバーし、安定供給を行うリスクマネージメントを取っている。これをベストミックス(リンク先には原発の優位性についても解説されています・・・)という。

 下図(電事連HPより)によれば、現状、原子力は30%程度。東電も%としてはほぼ同じ。

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★設置の際には、工事という物理的な制約のほか、環境影響評価法による手続きがある。
 法上では15万kw以上の発電には環境影響評価法によるアセスメント手続きが必要となる。手続きには通常40カ月程度かかるため、夏にはとても間に合わないため、超法規的措置への期待があったが・・・あるいは15万kw以下のタービンをたくさんつくるというのもアリかと思っていた。
 3/30朗報が!

 東電―今冬までにGT火力260万kW建設 火力発電アセスは「震災特例」で省略



米メディア、日本は弱点を無視 強く批判 「安全性確保を先送り」 

深刻な事態に陥っている東京電力福島第1原発事故をめぐり、米メディアが自然災害に対する日本政府や東電などの認識の甘さを指摘している。大津波の危険性や、非常用の原子炉冷却装置の必要性を専門家が指摘していたにもかかわらず、経済産業省原子力安全・保安院や東電は「無視していた」という。


平安時代の貞観津波を無視していたっていわれても・・・と思ったが、具体的な設備の必要性を無視していたなら、人災と言わざるを得ないでしょうか。
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by y-yamatn | 2011-04-02 07:39 | Days | Comments(0)